インド流ビジネスか


「ニホンジンデショ?」

地球の歩き方にも「インド人がカタコトで話しかけてくるから注意」と書いてあったので警戒していたのだが、いざ話しかけられると立ち止まってしまう。千と千尋の神隠しの序盤で、カエルに「ハクさま!」と話しかけられて息をしてしまうシーンに似ている。

「ヤスイホテル、ショウカイスルヨ」

いったん断ろうと思ったが、空港で知り合った大学生に「見てみるだけならいいのでは」と提案を受ける。まあ、遠くに連れていかれるわけではないし、二人なら逃げられるだろうということで、まわることにした。1軒目は雑居ビル。階段をあがっていくと、屋上にプレハブ小屋が。まさかと思って見てみると、南京錠であける扉の奥に3畳ほどの部屋。ここがホテルだという解説がなければ、牢屋にしか見えない。さすがにちょっと勘弁してくれ、ということで2軒目。




「クーラーツイテル、ゴウカダヨ」

1泊1500円ほどだったが、1軒目に比べれば遥かに文明的である。クーラーはついているし、コンセントも、トイレもある。ここならよいのではないか、ということで決めた。シャワーを浴びて仮眠を取ってから気付いたが、あのインド人は、最初から我々がこっちのホテルを選ぶことを見越して、1軒目のあの牢屋風の部屋を見せたのではなかろうか? なるほど、これがインド流ビジネスか。

あの男にホテルからいくらマージンが渡っているか知らないが、1泊1500円ぽっきりで、あのインド人も家族を養えるなら、Win-Winかもしれない。まあそれならいいじゃないか、と割り切って、もう一眠りした。

Where the hell is Taro?

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Taro

1989年生まれ。在京メディアで近畿→北関東→東京で記者。転職して現在は別業界に。フットワークは軽いほうで、休日はカメラを携えて旅に出ます。海外は20カ国以上。屋台で怪しいもの食べてたまにお腹壊したりします。最近ペンを握っていないのでボケ防止に書きます。コンテンツと現在の所属等は関係ないです。