マサイと携帯電話


ただ、やはり毎月使用料を払うのは大変なようで、プリペイド式が多いよう。道端のキオスクっぽいお店でカード販売と充電サービスを受けられるようになっている(電気が通っていない家もあるのだ!)。

機種は殆どがNOKIA、たまに日本で見たことある形のがあるけど、ほとんどが中国製のようだった。ナイロビでは道ですれ違う人の多くが携帯電話を持っていた。日本と同様、ビジネスだけでなく、コミュニケーションツールとして使っているように見える。

マサイ族を対象にした調査で、「携帯はあなたの生活を変えましたか?」と聞くと、全員が大きく頷いた。 そもそも「遠くの人間とコミュニケーションを取る」という文化が彼らにとっては新しく、特に出稼ぎ労働や交通手段の未発達でなかなか連絡の取れない遠地の家族と連絡を取るのにすごく役立っているようだ。



ちなみに会社は2つあって、Safaricom と Zain。 前者はいかにもアフリカの会社っぽい名前で、この会社はケニアの殆ど全土をカバーしている、日本で言うdocomoみたいな感じか。 後者は通話圏は都市部のみ、しかも経営者が頻繁に代わる関係で、社名がよく変わるらしい。日本で言うsoftbankみたいな存在か。 

最近注目のサービスは、携帯電話でネット上にお金をチャージできることらしい。これによって貧しかったり遠かったりして銀行に口座を開けないような人でも、タンス貯金しなくて済むようになったんだとか。発展途上国の携帯電話の活用法ってすさまじいなと思う。

ちなみに、マサイも最近は普通に携帯は持ってるらしい(自分がホームステイした周辺の20人中17人は持っていた)。 ムゼー(長老)いわく「3時間歩いていかなくても妻と話せるのは助かる」らしい、なるほど。ちなみにムゼーの奥さんに話を聞いたところ、「夫が他の妻のところにいても連絡をとれるから便利だ」と言っていた。

一夫多妻制だと夫婦の絆とか維持するのに携帯が役立つ、っていうのはなかなか興味深い。

自然と共に生きるマサイがケータイとか・・・って思う人もいるかも知れないけど、ムゼーいわく「大事なことはやっぱり直接会って話したい、人間のコミュニケーションの基本は対話だ」らしい。なんかよっぽど日本人より人間関係の基本わきまえてるような。

ちなみに携帯を持つ前は、ホーンとか煙(のろし)とか使ってたらしい。

Where the hell is Taro?

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Taro

1989年生まれ。在京メディアで近畿→北関東→東京で記者。転職して現在は別業界に。フットワークは軽いほうで、休日はカメラを携えて旅に出ます。海外は20カ国以上。屋台で怪しいもの食べてたまにお腹壊したりします。最近ペンを握っていないのでボケ防止に書きます。コンテンツと現在の所属等は関係ないです。