質素と根気の国


2年前にアルゼンチンを訪ねて以来、日系人についてもっと知りたいと思うようになった。グローバル化とか言いはじめる100年以上前に、外の世界に飛び出していった日本人たちがいるって、すごいじゃないか。そんなわけで、帰国後も移住資料館で文献を漁ったり、追浜駅前やパン工場で話しかけてみたり…。今回も旅の途中に日系人会館・宿・食堂をまわりたいと思っていた。

特にペルーは大統領を輩出しただけあって、日系社会の存在感が本当に濃かった。写真はペルー日系人協会(APJ)の運営する「日秘文化会館」で、柔道・マンガ教室などを開き、日本文化を広める役割を果たしている。また病院・薬局・食堂・図書館など併設し、広く市民に開放していて、現地に馴染んでいたのが印象的だった。

(正しい表現か分からないけど)面白いと思うのは、本国日本で絶滅しつつある価値観が、日系社会では当たり前のように強調されていること。会館内の壁には「忠実」「質素」「根気」などが掲げられていて、理想の日本人像が定義されている。こういった理想像は、築いたステイタスを日系社会が守っていくために必要なものだと分かっていても、日本から来た当の自分には全く当てはまらないわけで、可笑しいような、申し訳ないような、不思議な気分になる。

Where the hell is Taro?

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Taro

1989年生まれ。在京メディアで近畿→北関東→東京で記者。転職して現在は別業界に。フットワークは軽いほうで、休日はカメラを携えて旅に出ます。海外は20カ国以上。屋台で怪しいもの食べてたまにお腹壊したりします。最近ペンを握っていないのでボケ防止に書きます。コンテンツと現在の所属等は関係ないです。